平成24年度から始まった高知「環境絵日記」ですが、年を重ねるごとに応募数が増えてたいへん驚いているとともに、たいへん喜んでおります。昨年度応募してくださった児童のみなさんは703名でしたが、本年度は1851名の方が応募してくださいました。応募してくださったみなさん、ほんとうにありがとうございました。
今年の高知「環境絵日記」のテーマは「まもりたい環境 高知家のたからもの」でした。選考委員一同、「どんなたからものがでてくるんだろう」とたいへん期待をして選考に臨みました。いずれの応募作品にも、すばらしい「たからもの」が絵と文章で表現されていました。「高知家のたからもの」には川もあり、山もあり、海もありました。また、生き物もあり、食べ物もあり、そして家族もありました。児童のみなさんはたくさんのたからものを持っているんだなあ、と感じました。実は、高知家のたからものは高知県に住んでいると気づかないかもしれないと思っていました。高知県以外のところに行ってみたり住んでみたりしてはじめて、高知県の自然環境がほんとうにかけがえのないたからものだとわかるのではないかと思っていたからです。でも、みなさんは高知に住みながらすでにたからものに気づいていて、正直、すごいなあと感心しました。
応募してくれたみなさんの作品からは、みなさんが自分で体験したり、暮らしのなかで考えたり、実際に行動していることが、具体的にそしてリアルに伝わってきました。絵と文章のバランスも年々よくなっているだけでなく、絵と文章それぞれがしっかり丁寧に書き込まれていて、選考は実に苦労しました。選ばれた作品はもちろんすばらしいものですが、残念ながら選考にもれた作品のなかにもいい考え方をしているなあと思う作品や、個性的だなあと思う作品が多数ありました。そのような作品を選べなかったのには心が痛みました。
みなさんの作品に触れていくうちに、みなさんのような子どもたちが大人になって高知の自然を守っていってくれるのではないかという可能性も感じました。環境について気づいたことや考えたことを積み重ねて、行動に移し、その内容を来年度もぜひ私たちに教えてください。
最後になりましたが、高知「環境絵日記」の趣旨に賛同いただき、学校全体で、また学級全体で取り組んでいただき、ご指導くださった先生方にこころより感謝申し上げます。授業と関連づけてくださった学校もありました。特別活動での体験をより深めるために「環境絵日記」に取り組んでいただいた学校もありました。みなさまのご努力に敬意を表し、ささやかながら学校特別賞を設けさせていただきました。これからも、高知「環境絵日記」を子供たちの学習活動のなかに位置づけていただければ幸いに存じます。
平成26年度高知「環境絵日記」選考委員長
高知大学教育研究部人文社会科学系教育学部門 准教授 岡谷 英明