川の生き物図鑑 (水生生物研究家)石川妙子さん

私の好きな水生昆虫はヘビトンボです。すごい顎を持っている虫で、肉食なんですよ。水のきれいな川に生息するので、ヘビトンボがいるということは、そこにいろんな生物がいるという指標、水質が良いという指標にもなります。
最近多く見られるようになってきたので、川の水質がきれいになってきているのかもしれませんね。噛みつかれたりするので、みなさん最初は『ぎゃー!』と騒いでいますね(笑)。高知ではカワムカデと呼ばれていますが、ムカデのように毒はありません。

水生生物ハンドブック 文一総合出版

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このハンドブックシリーズの図鑑は、どれもとてもわかりやすく、写真もきれいでおすすめです。
『水生生物ハンドブック』は、水生生物の基礎、川の生態系のこともお勉強できるし、採取方法もよくわかります。川の水のきれいさと水生昆虫の関連もひとめでわかりますよ。
実物の大きさが薄い色で描かれているので、実際に捕まえるときもわかりやすいんです。川の生き物観察をするにはこれがいちばんのオススメです。

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川にはいろんな水生昆虫がいます。実際の大きさは右の方にグレーの影で表示されています。

毒のある魚には注意

川の観察会のとき、網を構えて、みんなで大きな岩をよいしょっとひっくり返したら、時々「あかざ」というドジョウに似た赤い魚が網にかかることがあります。最近結構見かけるようになりました。でも、この魚がかかったら絶対さわってはいけません。毒をもっているので、さわるととても痛いです。

こんな自由研究はどうでしょう

川の上流と中流と下流ではいる生物が違うので、それを比べてみるのも楽しいですよ。たとえば鏡川でも上流、中流、下流では虫の種類も違うし数も違ってきます。流れの速いところとゆるやかなところでも全然違うのでおもしろいですよ。「この虫は流れのない場所が好きなんだなぁ」とかわかります。
土手のある川と、神田川のようなコンクリートの川でも違います。
川は見ただけではわかりませんが、流れが急な所や急に水温が低くなっているところもあります。水生昆虫は膝ぐらいの深さのところで見つけることができますが、川に行くときには大人といっしょに行ってくださいね。水生昆虫採集用の川用の網は、釣具屋さんにありますよ。

おまけ 川に出かけたら、石にも注目。

川原の石ころ図鑑: 渡辺 一夫著 ポプラ社

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四万十川は主に堆積岩、グレーの砂岩系が多いんですよね。でも、仁淀川は色とりどりの石。桂浜の5色石は、仁淀川から流れた石がたどり着いたものなんですよ。だから、桂浜で見つけた色とりどりの石を持って、仁淀川上流を探しに行くと、「ああ、この石だったんだなぁ!」ってわかって面白いかもしれませんよ。
川ってつながってるなぁとわかる自由研究ができるかもしれません。
ハート型の石を探したり、まん丸の石を探したりするのも楽しいですよ。
石についてわからないことは、潮江の「高知市子ども科学図書館」などで聞いてみてもいいかもしれません。

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川によって石の種類も違うことがよくわかります。高知の川は四万十川と仁淀川が載っています。